今回は道祖神スタッフではなく、ツアー参加者が書いてくださったレポートになります。9月11日発に参加してくださった、黒田一行様の詳細なレポートを掲載します。黒田様1名しか応募がありませんでしたが、 料金アップ をご本人にご了解を頂き個人手配旅行として実施しました。
***以下、黒田様のレポート本文です***
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- 走行1日目:ウランバートルの南西650kmのダランザドガドから北上、ヨーリンアム渓谷~バヤンザクで宿泊(160km)。
- 走行2日目:南西方向のゴビに向けてツーリング(160km)。
- 走行3日目:ホンゴルから東に向けて220km、ダランザドガドに戻る。全体として、一筆書きの二等辺三角形の行程です。
地平線、丘陵地帯、砂漠その他、起伏に富んだ地形を楽しめました。オフ初心者の私でも大丈夫でした。
【9/11(水)1日目】
モンゴルのチンギスハン空港に到着。通訳のボギーさん、テヌンツアーのドライバーさんと合流。ウランバートル市内に向かう。空港付近は新しいビルの建設ラッシュ。朝青龍のスポーツジム、白鵬のトヨタ販売店、日馬富士のスクールなどもあります。ホテルは国会議事堂のすぐ横。国会議事堂には、チンギスハンの像と二人の重臣、そしてオゴタイとフビライの像がそびえます。この国でのチンギスハンの人気が伺えます。ホテル自体も新しく、レストランもすぐ近くにあり、快適なロケーションです。翌日は早いため、レストランで食事をとったら睡眠です。
【9/12(木)2日目】
走行初日。早朝、ウランバートル空港からゴビ砂漠手前のグルバンサイカーン空港(ダランザドガド)に移動。ここからツーリング開始。レンタルのセロー(グリーン)とツアーエージェントさん達と合流。ツアー会社の社長が直々にガイドライダーを務めてくれました。(イジレーさん、日本のオフロード雑誌にも何度か登場しています)、サポートカードライバーのガンボさん、通訳のボギーさん。本当の名前はもっと長いので略称。実はイジレ―さんとガンボさんは昨年のモンゴル テレルジツーリングでもガイドを努めてくれました。そのときゴビツアーに誘われたのが、今回の私の参加の理由のひとつ。
まずはヨーリンアム渓谷へ。道は平坦なところから少しずつ岩と砂利のゴツゴツしたところに変化。駐車場にバイクを止めて渓谷の中へ。渓谷は現在でも川が流れており、今回のルートの中では比較的緑の多いところ。ワシがこんなにたくさんいるのを見るのは初めて 。
次にバヤンザクを目指して北上。道はフラットダートで走りやすく速度制限もない(と思う)。未舗装路で5速フルスロットルをやってみたり。大地を蹴っ飛ばして進んでいく爆走感は快感です。太陽と空と雲のコントラストがとてもきれい。地平線に向かっている感じを体感。
道は、むしろ轍と言った方が良いもので、これがいくつも交差しています。しかも前後には地平線のみ。ナビなしでよく目的地に着くものだと、ガイドさんの能力に関心です。聞けば、頭の中に地図が入っていると。(ちなみにイジレーさんは車でラリーに出ているそう。)
15時頃に今回のキャンプ地(ツーリストキャンプ(ゲルが多く建てられていて、トイレやレストランも完備)に到着。ここからすぐそこのバヤンザク(恐竜の卵の化石が世界で初めて見つかった場所)まで行く。例えて言うならグランドキャニオンのような景観。奥の方まで歩いていくと、実際に壁の中に恐竜の卵らしきものがいくつも埋まっています。
赤土の大地を夕日が染めると荘厳な景色が現れます。それを眺めながら地平線に沈む夕日を見る。そして西から東へ振り返るとすぐに月が上がってきました。地球の自転を初めて体感しました。
【9/13(金)3日目】
走行2日目.バヤンザクからホンゴル砂丘へ。 朝5時に起きると満天の星。月が沈むと入れ替わりで地平線からの日の出。
朝食後、南西のホンゴル砂丘へ。東西150㎞はあるという大砂丘をめざす。乾燥した平原の中を快走。平原を疾走していると、突然、水の枯れた川の跡などが出現する。こんなときはイジレーさんがハンドサインで教えてくれるので、安心です。
道端の露店に寄りつつ、2時間ぐらい走ってもなかなか遠くの山が近づいてこない。けど不思議とあきない。たぶん知らない場所、太陽、雲、遠くの山をみながら、自分一人で旅した場合をイメージしながら走っているからかもしれない。
途中平坦な道から丘に地形が変化。オボー(旅の安全を祈願する道)に差し掛かると、ついに砂漠が遠くに出現。
連山の手前側がほぼ砂丘のような感じ。東西150km以上というだけある。日本の砂丘とはスケールが違います。
砂丘の近くで昼食をとったら、水場のホンゴル川へ。馬とワシの先客がいました。どうやらこの付近の動物の水飲み場。ガイドブックには全くそんな情報載っていません。地元のガイドもほとんどこないそうです。
引き返すのかと思ったら、そのまま川に入ると言うじゃありませんか。びっくり!水自体は非常に浅瀬なのですが、その中をどんどん遡上。上流の風が気持ち良い場所で休憩。
その後、待望の砂漠へ。
砂漠を走りたいと言っておきながら、サンドは初体験なので、なかなかむずかしい。うまくできないといろいろとやり方を考えるのが、バイクの醍醐味です。斜面にトライするも、1回目は登りきれず、2度目で登頂。砂丘って登ってみると意外と高低差があり、下からの見え方にギャップがあることに気づく。しばらく砂丘で遊んだあとにキャンプに移動。
途中、ラクダに乗せてもらったり、新しい体験ができた走行2日目でした 。
ちなみに地平線から昇る、中秋の満月も見ることができました。
【9/14(土)4日目】
ホンゴル砂丘からダランザドガドへ
モンゴルのゴビツーリングも3日目。西から東へ約220キロ戻る行程。
モンゴルの平原や砂漠地帯を想像すると、単なる平坦な道が続くように思えるかもしれません。実際には、起伏のある丘陵地帯、峠、そして干上がった河川もいくつもありました。
この日は右手にゴビ砂漠を見ながらスタート。土曜日と言うこともあり、途中でモトクロッサーを積んだ車が声をかけてきたり、休憩していると現地の方が近づいてきて自然に会話をしたり。とにかくこの土地の人々は、まるで知り合いのように自然に会話しています。
砂漠が視界から消える頃、ちょうど緑の生えている丘陵地帯に差し掛かる。いくつものアップダウンを越えていくと、イジレーさんが右手を指す。見ると土煙を上げながら3匹の動物がものすごい勢いで走っていく。野生のガゼルです。テレビで見るとクローズアップで追従するので、そのスピードがよく分かりませんが、モンゴルの広い自然の中ではスピードが良く分ります。端から端まで移動していくスピードを目の当たりにすると、その速度は脅威です。速いだけでなく、ストライドの一発一発が大きいので、あっという間に彼方まで行ってしまいます(ビデオの2分ごろから右手に出現)。時速90kmで走るそうです。
丘陵地帯も端になるとはげ山が近づいてきます。これらをいくつも乗り越えていくのですが、そのたびに蒼い天空に向かって進んでいくので、天に上る感じです。
平坦な道になればなったで、2日前よりもアクセルの全開期間を伸ばしてみたり、いろんな楽しみ方があります。しかしゴビで見た以外は、水のある川は見当たりません。(干上がった川はいくつもありましたが)。この辺の人々の生活が気になるところです。途中放牧されてるヤギの水飲み場などがありましたので、地下水を汲み上げていると推察です。
しかしホンゴルから200キロ、街が遠くに見えるあたりまで来てやっと、1つだけ道路標識があったり、電信柱が見えてきました。広野っぷりが半端ありません。
当初はツーリストキャンプでゲルに泊まる予定でしたが、夜は結構冷えるので(9月の北海道なみ)、急遽ホテルに予定を変更してくれました。この辺のホスピタリティーはとても助かりました。夜は珍しいラクダの肉などを食べて、ゴビ最後の夜を過ごしました。
オフロード初心者の私でも、楽しめたのは、日本よりも道がとても広いので、操作がのびのびできて、走りやすいからだと思います。またガイドライダーの心配りがとても行き届いているので、コースの分らない原野でも安心して走れました。サポートの方たちに感謝です。
【9/15(日)5日目】
ダランザドガドの空港を早朝に出発してウランバートルに到着。
空港まで車で迎えに来ていただいて、そのままガンダン寺に向う。モンゴル仏教界の最高学府だそうです。中には建物ギリギリのサイズで観音像(26m)がどーんと立っています。
観音様の周りにはマニ車(経文の入った筒)と小さな仏像が取り囲んでいます。マニ車は2回回すとお経を唱えたのと同じ功徳があるそうです。そして小さな仏像は一体一体顔が微妙に違います。お寺に寄付をした方の仏像だそうです。
一旦ホテルで休憩してから、ショッピングへ。ちょうどこの日は、広場を中心に約半径2キロメートルは歩行者天国になってました。広場はいろんな催し物が開かれるそうです。この日はブックフェアでした。最近モンゴルでは読書熱が高まっているようで、本を持ち寄って読書会なども開かれているそうです。
そしてチンギスハン像の前では、こどもの歌唱コンテストが行われていました。
夜はあったかい鍋を選ばせてもらい、日本人の方が経営するレストランで最後の晩餐です。オーナーの増井さんは25歳で異国の地でビジネスをしているのですから、すごいものです。
【9/16(月)6日目】
早朝ホテルを出発して帰国です。
バイクのツーリングに加えて、モンゴルの文化なども楽しめた充実した1週間でした
最後に素敵な旅をアレンジして道祖神のみなさま、ありがとうございました。